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スペシャル
原作者・つるまいかだ先生&結束いのり役・春瀬なつみさん対談

「メダリスト」がアニメ化されると聞いた時のことを伺えますか?

アニメ化を聞いた瞬間は、何も考えずに飛び跳ねて喜びました。だけど、“アニメ化できたらいいね”と一緒に頑張ってきた担当編集さんが、「まだ走り始めなので」とやけに冷静な態度なのが少し怖くて、80%くらいにテンションを落としてそのあとの話を聞く感じでした。

私はつるま先生がアニメ化を目指して頑張ってこられたのを、漫画CMのナレーションを担当させて頂いた時から知っていたので、マネージャーさんから“今度「メダリスト」のテープオーディションがあるんですけど”って言われた時に、ついにその日が来た!先生の夢が叶ったんだ!とすごく嬉しかったです。

本日スケーティングのモーションキャプチャー撮影をご覧いただきましたが、一つずつアニメになっていく制作過程をご覧になられていかがでしたか?

振り付けにご協力いただいた方が小さな身振りのアドリブだったり、“この子らしさを動きに入れてみたいんですけど”っていう追加の提案をされていたり、みなさんすごく細部にこだわっていました。スタッフさんが一同に集中してこの動きを撮るぞっていう集中力がありつつも、和気あいあいとした雰囲気もあっていいチームワークでやられているんだなと感じました。 今アニメが作られているんだっていう瞬間と、動いているいのりちゃんをモニター映像で見ることができて、ただ単純にもう手放しで感動してしまいました。

振り付けにご協力いただいた方の現場の声が取り入れられていることに、とても感動しました。今日の撮影現場だけじゃなく、山本(靖貴)監督の絵コンテやキャラクターデザインの亀山(千夏)さんのデザイン監修をする度に感動しています。 私は特に絵を見るので、亀山さんのデザインが司から始まり、どんどんキャラクターが出てくるにつれて、私が自分で描いたのかと思える絵柄に近づいていくし、私よりも可愛い絵を描いたりするのを見て、自分の作った作品が、亀山さんの努力やこだわりでこんなふうに素敵に変わっていくんだって感動しています。一つ一つの監修物の中に、その素敵な積み重ねが毎回出てくるのが楽しみです。花田(⼗輝)さんの“ストーリーを1話でまとめるために、この要素を入れよう。”という脚本アレンジとか、才能のあるクリエイターさんたちが集まって「メダリスト」の土台が作られていることを、原作者の立場として見ることができてとても嬉しいです。特別な経験をさせていただいてるなと、このアニメ化に感謝しています。ありがとうございます!

いのりが緊張した時に司先生の服の紐をにぎるように、お二人がルーティンにしていることはありますか?

現場に行ってからは特にないんですけど、現場に行く前に必ずヨガをしています。朝早い現場の時でもヨガで柔軟して声を起こしてから行かないとガチガチに緊張しちゃうので、それが私のルーティンです。 先生はありますか?

私はルーティンとしてはちょっと幅が大きいかもしれないんですけど、なるべく担当編集さんの近くで話ができる状況でネームを書いてます。


直接お話しながらネームを書かれているんですか?



はい、そうなんです。自分がすごい愚かな人間なので、見張られていないといくらでもサボってしまうので、いつ担当編集さんが出現してもおかしくない場所で集中するためにそうしています。今の担当編集さんはすごく気を遣って様子を見に来てくださるんですけど、前の担当編集さんはゲリラ出現することに意味があると思っていて、すごく緊張感がありました。 あとは、作画は自宅で描いてるんですけど、その時に時間を測るとかですかね。でも特別なルーティンはないかも。春瀬さんのように「ヨガをやる」みたいなのがあると、ちゃんとスイッチが入るだろうなって思うんですけど。

いのりが光を目標とするように、お二人が目標にしている方はいらっしゃいますか?

先輩方の演技が素晴らしくて尊敬してる方は、両手じゃ足らないくらいたくさんいます。 一番を挙げるとすると、声優の矢島晶子さんです。お芝居がとても自然で。やり過ぎてないのにめちゃめちゃ感情が入ってくるので、どうしてこの自然さができるんだろう?と思って。昔からずっと、矢島さんの出演作品があると録画して、真似していました。その後もいろんな声優さんでも同じように勉強しているんですけど、どういう風にやられてるんだろう?と一番研究したのは矢島さんだと思うので、勝手に師匠というか尊敬させていただいてるって感じです。

私はまだ一度もお会いしたことがないんですけど、『鋼の錬金術師』の荒川弘先生を尊敬しています。いろんなインタビューで知る荒川先生の執筆スタイルもかっこいいと思いますし、何しろ人間ドラマがかっこいいんです。 このキャラとこのキャラが別々の人間であることをはっきりするために、色分けしないといけないとか、漫画はある程度記号化されてないといけないと思うんですけど、その中でもキャラクターがすごく生きていて、物語の中でとても輝いてる。どのキャラクターもみんなかっこいい! 自分の中でこういう素敵な漫画が描けたらなと思っていて、「メダリスト」をそういう漫画にしたいって勝手に師匠のように尊敬しています。 『鋼の錬金術師』のような漫画が描けたらすごい幸せだなと思って。道のりは遠いと思うんですけど、そうなれるように目指しています。

アニメを楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

素晴らしいスタッフの方々が全力を尽くされているアニメです。何より原作が素晴らしいので、絶対に面白いアニメになると思いますし、フィギュアスケートを全然知らない人にもきっと楽しんでいただけると思います!そしていのりちゃんと同じくらいの年齢の方にも、目標に向かって頑張る姿や悩んでる姿を見て、夢や勇気を与えられる作品になるといいなと思っています。

アニメの制作過程で監修をする度にいつも感動しているので、世に出るのが本当に楽しみでしかたないです。いい作品になると思っているので、楽しみに待っていて欲しいです。 アニメ「メダリスト」は、監督や制作の方たちが作られた私だけの作品ではないので、新しい「メダリスト」として、アニメから好きになれることがいっぱいあると思います。もちろん漫画好きな人にも見て欲しいですけど、アニメの形として素敵なところを見つけて欲しいと思っています。